南国土佐をあとにして〜高知旅情編〜

GWを利用して、高知に行ってきました。
四国は2012年のGW旅以来3年ぶりになります。
参考:寝台特急で行く四国瀬戸内旅情編

関東に住んでいると、高知ってだいぶ遠いんですよね。
ちょっと図で示してみようと思うのですが、高知県はこのあたりです。

……うん、遠いですね。

さらに、今回はこのような場所を移動するような行程を組んでみました。

高知県内にもかかわらず、まさかの東西200キロ!
…アホですね。
旅行前に、「かなりの強行軍だ」という声は多方面から頂いていたのですが、本人が一番、その自覚がありませんでした。


そんなこんなで、そんな”行軍”を、テキストと写真で振り返ってみたいと思います。

1日目
いつもならサンライズで四国入りするところですが、今回は残念ながら確保できなかったので、新幹線+特急で高知入り。
前回もそうだったのですが、瀬戸大橋を渡るところからもう楽しみで。
景色のよさもありますし、なにより電車で本州から出て別の島に行くのって、とてもワクワクします。

たまたま乗った特急がアンパンマン列車でした

車窓より瀬戸内海を望む

高知市街
この旅で何度もお世話になる高知市街。
土佐の維新三志士の像が出迎えてくれます。

維新三志士像。桂浜や室戸岬などに行くと元になった像があります

電車もそうでしたが、駅からまっすぐに延びるプロムナードにもアンパンマン関係の石像が並んでいて、高知が相当な”アンパンマン推し”であることがわかります。
また、町中を歩いてみると、川をはじめとした水路がとても多いことがわかって、高知の自然の 豊かさの一端を既にここで感じるというスタートになりました。

アンパンマン石像。これははりまや橋付近のもの

豊富な水をたたえる川。このような風景があちらこちらで拝めます

高知市中心で”帯ブラ”
高知市の中心部は、とても賑やかでした。
日曜市、高知城、ひろめ市場など有名な観光地がある中で、それ以上に活気があるのがこの帯屋町商店街。
地方都市の商店街というとシャッター街を想像してしまいますが、そんなことはありませんでした。
ちょうど観光地をつなぐ通りにもなっていて、その存在が観光に非常にマッチした好例だと思います。

はりまや橋方面と高知城をつなぐ帯屋町商店街。昼夜問わず人通りが多い



商店街からは少し外れますが、高知名物・リンベルの「ぼうしパン」

三大がっかりスポット、はりまや橋へ
さっそく、”三大がっかりスポット”と呼ばれるはりまや橋へ。
というかこの一帯が『はりまや橋』という名前なので、国道にかかるコンクリ橋も『はりまや橋』だったりして、ややややこしいです。
悪くない橋だとは思うのですが、ネームバリューが先行しすぎてしまったのが悲しい渾名をいただいた原因かなと思います…

はりまや橋。京都の晴明神社の橋を思い出す

ちなみに、時間によっては国道を挟んで反対側のからくり時計が動きますので、このあたりもあわせてお楽しみください。

からくり時計

桂浜

バスで一路桂浜へ。
坂本竜馬像が出迎えてくれます……が、午後で逆光だったので微妙でした。
あとちゃっかり名物のアイスクリン食べてます。

逆光の龍馬

アイスクリン。わかりやすく言うとチューペットの味

ここ(龍馬像の前)ではまだ浜の全容は見えない

あのうみー(BGM:青空)



桂浜です。
AIRネタをやるはずが、なぜか
「白鳥は かなしからずや 空の青 海のあをにも 染まずただよふ」
が思い出されました。
……リトバスネタでした。

太平洋を見渡せる地ということで、龍馬でなくても大志を抱いたんじゃないかと思わせるような、そんな浜でした。

また、この浜の見どころはもう一つ。
海にせり出す竜王宮(海津見神社)。
このロケーションもとってもいいのです。
桂浜自体は、浜辺ってのは全国津々浦々にあるわけで、写真だけでは伝わらない部分があるかもしれませんが、このあたりを含めての景色というのが、まさに桂浜を象徴する景色だと思います。

海津見神社

展望台から

あとは、”我が道を行く”スキルが発動して、誰も行かない灯台に行ったりしたのはいつものこと。

「高知灯台」という名前がしっかりついてます


このあと、市内に戻って舞軌内さんと突発オフなどしながら鰹を食したりしました。(さらっと記載)

ライトアップ三志士


2日目
この日もわりと早い出発。
市内を流れる鏡川沿いは、観光地になっているわけではないのですが、高知を象徴するような風景だなと感じました。

鏡川沿い

特に観光地ではないけれど、ものすごく印象的な風景


和霊神社
坂本龍馬が脱藩を決意したと言われる神社です。
といっても、ここは写真に惹かれて行った部分も大きくて。
そこまでメジャーなスポットではありませんが、いたるところに案内板が設置されているので、行きづらさはありません。
ただし、言ってしまえば「ちょっとした山にある神社」ですので、あまり無理せず行かれますように。

和霊神社

階段が急だったり虫が飛びまくってたりして行くときは必死でしたが、写真で見るといい景色に見えますね

高知県庁
県庁や市町村役場というのは、だいたい城の近くにあるものですが、ここもご多聞に漏れず。
こちらが有川浩の”県庁おもてなし課”で一躍全国区になった、高知県庁になります。
城跡にある官公庁は数あれど、後ろに”現存天守”を背負う官公庁って、なかなかないですよ。

高知県庁。右側にこっそり高知城が

高知城
そして、全国十二天守のひとつ、高知城です。
私が高知に行った最大の理由が、これです。
しっかりした天守と壮大な石垣が印象的なこの城。
あとになって知りましたが、天守と追手門が一緒の写真に収められる唯一の城だったようです。

高知城。まず石垣に目を奪われた

追手門

天守閣。シルエットがとてもよい

”観光するのに最適なお城”なんですよね。
駅から城までは20分くらいで、その途中にもはりまや橋があり、また帯屋町商店街が伸びていますから飽きることなく。
城の規模としても、見学にかかる時間も長すぎず短すぎず。
しかも、本丸周りがまるごと残っているので、城に詳しくない人でも「城だ」というのがわかりやすいんです。

上からの風景

天守閣から見た場内の様子。天守閣周りがここまで残っている城も少ないとのこと

個人的には、今まで行った中でも相当好きな方に入る城でした。
四国の城は、私好みのものが非常に多いです。


ちなみに、ここでは板垣退助像が出迎えてくれるのですが…
どうみても金剛のバーニング・ラブにしか見えません、本当にありがとうございました。

板垣「私たちの出番ネ!Follow me!皆さん、ついて来て下さいネー!」→大正デモクラシー

土佐おもてなし勤王隊
突然ですが、高知には「土佐おもてなし勤王隊」という高知のご当地アイドル(厳密にはユニット?)がいらっしゃいまして。
よく観光パンフレットには登場している面々なんですが、ちょうどたまたま高知駅前の広場でステージイベントをしている所に遭遇して、ちょっと後ろの方で見てました。
このあたり、本当に想定してなかったので、ちょっと得をした気分でしたね。

土佐おもてなし勤王隊のみなさん

西へ。
太平洋を眺めながら、西へ。
ひたすら西へ。
100キロほど西へ。


到着したのは、四万十川の玄関口、四万十市の中村駅でした。

四万十川サイクリング
ここでは観光協会で自転車を借り、四万十の自然を象徴する、とある地点を目指します。

観光協会で教わった道のとおりに四万十川沿いを行ったのですが、この景色がとてもいいんです。
印象的な赤鉄橋を渡り、川沿いの歩行者・自転車専用道を延々と漕ぎ…
天気さえよければ、これ以上ない自然が味わえます。

赤鉄橋。此処だけでも四万十の一端が垣間見える

四万十川沿いはこの写真だけでもよさが伝わってくる

非常に気持ちいいサイクリングロード

沈下橋
さて、目的地はこちらになります。


佐田沈下橋。
正式名は「今成沈下橋」。
まさに、ここに来るために、高知市から西へ100キロもの距離を移動してきました。


大雨が降って水かさが増したとき、どうするか。
その答えとして「水に浸かってしまえばいい」という大胆な発想を具現化したのが、この沈下橋です。
このとおり、欄干がありません。
しかし、普通に車が通過できる橋でもあります。
ものすごく怖いですが、私がいる間にもけっこうな台数の車が通過していきました……

ご覧のとおり欄干がありません。写真撮るのもなかなかスリリングです

私が運転したら川にまっさかさまです…

あと、実際に行ってみてわかるのが、ちゃんとほんの少しだけアーチ型になっているんですよね。
このあたり、しっかりしてる橋だということがわかります。

佐田の沈下橋遠景

確かに沈下橋は物珍しさもあるのですが、四万十自体がいいんです。
このあたりの景色は、四万十川のよさが詰まっています。
圧倒的な自然の緑。
穏やかで透明で、その緑色を映し混んでいる川の水。
天気のよさも相まって、とても印象的でした。

四万十の自然

最も行くのが容易な沈下橋がこの佐田沈下橋で、写真などが最も有名なのがさらに上流にある岩間沈下橋です。
四万十川にはたくさんの沈下橋が架けられているので、次に来たときは、上流の江川崎から自転車で下ってみたいなとも思いつつ。

大満足した後は、近くの神社に寄りながら戻って自転車を返し、たこ焼きを食べて腹ごしらえをしながら、翌日にかけて今度は東を目指すことになります。

一條神社

なお、途中の須崎で下車して、1時間弱の電車待ちの間に、駅から少し離れた店まで行ってご当地料理を食べて走って帰ってくるという”弾丸名物ツアー”をしたりと、このあたりもものすごく強行軍でした。

須崎名物、鍋焼きラーメン(大)

3日目
天気を心配しながらの出発になりました。

日曜市
この日は日曜日だったので、高知の名物でもある日曜市へ。

日曜市の様子

”曜日もの”だったので、当初の予定に入れておらず、行けないと思っていました。
しかもこの日は早くから東へ出る予定で、観光案内所でも「朝はやってないかもしれない」と言われていました。
しかし、ゴールデンウィークということが幸いして、けっこうな数のお店がやっていたので、その雰囲気を楽しむことができました。
イモ天はやはり大行列でした。

イモ天ブース

龍河洞
”日本三大鍾乳洞”の一つにも挙げられる香美市の龍河洞へ。
その一つである秋芳洞には行っているので、その3つの中では2か所目になります(残り一つは岩手の龍泉洞)。
参考:三度、西へ。〜本州大脱出〜(2011)


龍河洞。壮大であり身近でもある

秋芳洞はとても広大な鍾乳洞でしたが、こちらはかなり幅が狭く、鍾乳洞との距離が近いです。
人によっては通れないんじゃないか…という所もありますが、本当に間近で鍾乳洞の見学ができました。
緑色のライトアップとかは季節ものかな…と思っていたのですが、これも今回やってくれていたので、それも嬉しかったです。

私も通れるか不安でした





ライトアップ

ここでは案内所の人に移動手段をわざわざメモまで書いてもらって教えていただいたりと、かなりお世話になりました。

ものべの物部川

しんたろう号
ここから今度は昨日とは逆にひたすら東へ。
舞軌内さんに教えていただいた、オープンデッキになっている電車、ごめんなはり線の「しんたろう号」に偶然乗ることができました。
外に出ながら沿線の景色を楽しむことができるという夢のような列車で、後免駅から東ではオープンデッキに出放題ということだったので、下車駅までずっとオープンデッキに居ました。
電車のオープンデッキでずっと外に出ていられるって、少なくとも日本ではなかなかないものなので、とても貴重な経験になったなと思っています。

「ごめん駅でごめん」 byやなせたかし

オープンデッキからの風景

トンネルに入るときの風圧はものすごい




この後、バスに乗って室戸岬へ。

室戸岬
高知の南東に位置し、”台風銀座”とも呼ばれる岬、室戸岬。
まずは中岡慎太郎像がお出迎えしてくれます。

中岡慎太郎像

”岬”という名前が付いており、実際でっかい岬になっているのですが、その規模から、一般的な”海と山が混ざる日本的な岬”とはちょっと受ける印象が違うかもしれません。
そう、ここで目にする光景は岩礁や奇岩が広がる”世界ジオパーク”。
沿岸には、なかなかお目にかかることができない地形が多く見られました。

なお、このあたりで割と大粒の雨が降ってきて、やっぱり天気には勝てなかったよ……と。

室戸岬全景。ジオパークらしい岬

浜にも奇岩が

逆側の灯台方向を向くと、岬っぽさはある

タービタイト

すごいアコウ

エボシ岩

ビシャゴ岩

御厨人窟
少し離れたところにある、弘法大師ゆかりの御厨人窟(みくろど)にも行ってきました。
洞窟の中に神社があるという、宮崎の鵜戸神宮を髣髴とさせる神社というか場所です。
本当は落ち着いたところのはずで、弘法大師がここで悟りを開いた、とも言われている静謐な場所のはずなのですが……
近年のパワースポットブームとこのゴールデンウィークの混雑で、なかなか雰囲気はそうなってませんでした。
落ちついた時期に来るべきだったかもしれませんね。

御厨人窟。まず読めない

洞窟内から外。室戸岬の一部を望むことができる

それっぽく撮ってみた

灯台とお遍路
ふと「室戸岬灯台に行こう」と思って、観光協会で道を訊いたら「へんろ道を20分登ると最御崎寺について、そこから3分ですよ」と教えてもらい。
ちょっと悩みながらも、山道を登ることにしました。
”へんろ道”というお遍路さんも通る道なので、整備されていないわけではないものの、石段は変則だし傾斜はわりとあるしで、なかなかこれがきつかったです。

はじめてのおへんろ

捻子ではない
最御崎寺
へんろ道を登って行ってまず到着するのが、四国八十八箇所霊場第二十四番札所の最御崎寺(ほつみさきじ)でした。
絶対に初見では読めません。
お遍路さんに関係するお寺としては初めて行った寺になるでしょうか。

最御崎寺

境内

室戸岬灯台
そのすぐ先にあるのが室戸岬灯台。
”日本一の光達距離”だったりと、かなりの実力を誇る第1等灯台なのですが、残念ながら内部の見学はできませんでした。
ちなみに、現存する第1等灯台のうち、既に3箇所(犬吠埼、日御碕、室戸岬)を回っていることがわかりました。
またこれも回ることになるのか…?

室戸岬灯台

なお、この地域では「室戸キンメ丼」なるご当地メニューがあるらしかったのですが、大盛況で売り切れてました…

バス停にて
そんなこんなで、雨宿りをさせてもらいながら帰りのバスを待っていまして。
バス停で他の人と世間話をしながら待っていたんですけれども、バスが来たらそのおっちゃんがスーっと去ってしまって。
あとになって気付いたんですけれども、誰もいないバス停で一人で待ってる私を心配して、世間話の相手になってくれていたんですよね、たぶん。
ちょっと泣きそうになりました。



ちなみに、この日もご当地料理を食べたのち、『電車に間に合わない!』と思って大雨の中をダッシュしてますから、振り返ってみて恐ろしい強行軍だったなあと思います。

ごめんけんかしゃもすき焼き

4日目
朝は予報通り、ぐずついた天気でしたが…

こんな天気

地球33番地
行く前から気になっていた「地球33番地」へ。

なんだかクリ―チャーっぽいモニュメント

「地球33番地」とは何ぞやというと、旧日本測地系において、”東経133度33分33.333秒、北緯33度33分33.333秒”の地点のことなんです。
現在は世界測地系に変わったことで、厳密には場所がややずれてしまったようですが、こういった地点は全世界に10か所ほどしかなく、容易にアクセスできるのはここだけという、とんでもない地点だったりします。
もし高知市に何も観光スポットがなかったなら、もっとこれで売りだしてもいいのに、と思えるような地点でした。

地球33番地のある通り。この雰囲気、嫌いじゃない

ちゃんと石碑もあります

一応あやかってるらしい

五台山へ
いったん駅前に戻り、観光案内所で次の行き先をリサーチ。
というのも、色々な情報を集めても、なかなかどんな感じで回ればいかわかりづらいところだったんです。
でも、ここで親切に教えてもらって、円滑に回ることができました。

牧野植物園
天気予報が外れ、雨が上がりました。
寧ろ恐ろしいまでの快晴になりました。

ということで、五台山の上にある牧野植物園へ。
なぜここに来ようと思ったかというと、パンフレットに使われていた写真がとても印象的で。
植物園にそこまで興味がある部類ではないのですが、その写真と同じ所を見たい、と強く思って、これもやや強行軍でしたが行こうと決めました。

植物園入口

モダンなエントランス

回廊

中庭

カンナ&ローズ園


香川の栗林公園もそうでしたが、四国というのは植物が育つ土壌があるのかも知れません。
山の上の広大な土地に、とんでもない規模の植物園。
そして南側には、これまた大きな温室が控えています。

南園を上から

庭園

温室の圧倒的な存在感

気になっていた場所は、温室の入り口でした。
これが実際に見てみてもすごいと思える作りで。
温室に入る前に、長らく足が止まりました。

温室入口。残念ながら広角で取らないと写真は再現できないものと思われます。

温室内の様子




公共交通でのアクセスが、MY遊バスという回遊バス一つしかないので、なかなか行きづらいのですが、隠れたスポットとして、オススメします。

植物園から視えた竹林寺



高知を去る前に、最後にすべりこみで土佐あかうしを食べたり。
土産を買うときに、『バスの一日券』をたまたま手にしていたら、それで割引をしてくれました。
こういった仕組みは、いいですね。

抑え:ひろめ市場

まとめ
短い4日間でした。

現地の皆さんが親切な人ばかりで、細やかなアドバイスまで本当にお世話になりました。
この強行軍を終え、最終日まで駆け抜けられたのは、本当にいろんな人が助けてくれたからだと、心から思ってます。

高知は、全体的にあったかさがある所でしたね。
たこ焼き屋のおっちゃんが、焼いてるスペースを飛び出して感想を訊きに出てきてくれたり。
移動手段を質問したら、すぐに時刻を調べてメモを渡してくれたり。
全体的にやさしく、旅人を気遣ってくれたり。
そんなエピソードが、ここに書き切れないものも含めて、ものすごくたくさんあります。
ここまで人と話をしながら旅を進めたのって、あまりないかもしれません。

『県庁おもてなし課』で、”おもてなし”は高知の代名詞になりましたけれども、そういった実際の「おもてなし」ってまさに小説の比じゃないですね。
”気配り”というものに代表される、高知という風土に根付いたものだったんだなというのがわかりました。


行きたい場所もまだまだたくさんありますし、また行きたいですね。
そして、今度くるときは、もう少しだけゆっくり回りたいなと思います。



執筆 2015年5月5日
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