おのくら!〜旅と猫と旅情編〜

3連休で尾道と倉敷に行ってきました。
雨が全く降らないという絶好の旅行日和。
どこもいいところだったし、大満足の旅でした。

さて、そんな旅の様子を振り返ってみましょう。

1日目
高梁→岡山:快晴


予想外
天気もよく、これ以上ない出発だと思ったら…
新大阪駅で緊急停止ボタンが押され、全列車が遅延。
本当にやきもきさせられました。

その後の行程には支障が出ませんでしたが、各所の乗り換えで疾走する羽目に…
やくもの写真もゆっくりは取れませんでした。
それにしても、やくもはすごく揺れましたね……

“ぐったりやくも”の異名を取る特急やくも

高梁市街
備中松山城のある町、高梁市。
あまり大きな町ではないのですが、武家に縁のある町らしく、武家屋敷などの景観も見ることができます。
やや「整備したかな?」という印象はあるものの、静かでとてもいい感じでした。
後ほどの備中松山城も併せて、非常に風景や景色がいいところです。

紺屋川美観地区

高梁基督教会堂

秒速5センチメートルを髣髴とさせる風景じゃないですか

武家屋敷群が並ぶ通り(石火矢町ふるさと村)

武家屋敷

備中松山城〜登山編〜
備中松山城は山の上にあるので、非常にアクセスしづらく、どの交通手段で行っても最後は山登りになります。
そして私は、あろうことか麓から完全徒歩で遊歩道という名の登山道を登りました。

その山登りがきついんです。
石段とかは整備されているのですが、その歩幅が明らかに大きい。
旅先で数々の山を登った私が、途中で音を上げて何度も止まるんですから、けっこうなきつさです。

もともと疲れが蓄積していたところ、なんとか決行した旅でもあったので、体力的にもボロボロなところに、このダメージは堪えました。

心得はもうちょっと麓のほうに書いてほしかった…

備中松山城〜登山編〜
ただ、登った先にあった風景は、言葉にできないほどのものでした。
城だ、と思って一気にテンションが上がり、場内を見学しつくして……
疲れがどこかに吹っ飛んでました。

まさに天空の城という感じの石垣

備中松山城全容

現存十二天守のうち、最も高いところにある山城です。
その険しさに、この城が未だに残っている理由が垣間見えます。
小さい城だと聞いていましたが、そんなことはなくて、非常に趣深かったですね。

現存天守。全国に12しかないうちの一つです

やや斜めから

この櫓、実は国指定の文化財なのですがあまり気付かれません


あまりにテンションが上がっていたせいか、とおりすがりの男児(5歳くらい?)と
男児「階段終わった―」
風花「もう少しあるよ」
男児「ええー」
風花「でもあのお城がゴールだから」
という子供じみた会話をしたりしてました。

一番の風景スポットは、8合目までの道の途中で見える高梁市の街並み。
案内板もないので見落としがちになりますが、あれは見逃せません。

備中松山城に至る途中から見渡せる高梁市街。この眺めはじつに爽快



ベンガラが印象的な吹屋には行けなかったので、今度はゆっくりきたいと思います。
ただし、もうあの遊歩道は登りたくありません…

実は自然が豊かなところにあります

水路に草が生い茂る

お粗末さまでした

岡山後楽園
場所を移して…

岡山駅前の噴水には虹が

日本三名園の一つ、岡山後楽園へ。

後楽園へ至る橋

入りしな、撮影スポットを訊いたら、ガイドさんが途中まで案内してくれました。

寒緑細響軒

鶴鳴館

人造ですが水車もあります

五十三次腰掛茶屋

非常によく整備された庭、というよりは公園と言ったほうがいいでしょうか。
ふつうに「庭のテーマパーク」みたいな感じになっています。
整備されているためか、自然的な要素はあまり見られませんが、その分非常に凝った作りになっています。
外国人観光客が多いのも印象的でした。

沢の池

後楽園は「沢の池」を中心に成り立っているので、この池の周りを回るだけで非常に趣深い光景に出合うことができます。
そしてこの手のお庭に欠かせない山として、唯心山。
このあたりは、武家庭園の流れをしっかり組んでいるなあ、というのが伝わってきます。
条件がそろえば、岡山城が水面に映ったりもするようですね。

唯心山方向

流店。建物の中を普通に水が流れます

唯心山からの眺望

唯心山

花交の池

茶祖堂

なぜか蘇鉄が植えられている

花葉の池

延養亭

ベストビジョン

岡山城
別名・烏城。
壁が黒いことからそう呼ばれたようです。
復興天守なので、どうしても備中松山城を見たあとでは違和感がありますが、まあよく再建したな、という感じはします。

岡山城。別名のごとく漆黒

この写真は瓦メインです!

そして内部はなぜか黒田官兵衛の高松城水責めの特別展をしていて、なんでそれが?という感じもあったのですが、実は高松城は岡山にあったというオチでして。
私はえらい勘違いをしていて、高松ってもっと向こうか、香川の高松かなと思っていたんです。
その意味では、学ぶところが多かったです。

岡山城から後楽園を


2日目
尾道→吉備津:快晴

尾道
「行きたい」と思ってから、何年かかったでしょうか。
昔からずっと行きたいと思って、去年が結局駄目で。
最近は様々な同人誌でも尾道がクローズアップされていて、その風景美を見たいと思って、ずっと楽しみにしていました。

尾道駅に降り立ってまず思うのは、「港!」。
尾道ってどうしても坂のイメージが強いんですが、港としても非常に大きいんですよね。

尾道は港も栄えてます、というか本業はそっちのような気がします

朝早くから駅の前にいてくれた観光案内所のおっちゃんに観光スケジュールの相談に乗ってもらって、「お寺なら9時前からやってる」という情報を貰ってさっそく回りはじめました。

ガウディハウス(通称)

有名なのに様々な要因から観光ガイドに一切載ってこない、ガウディハウス。
酷いのなんか、観光パンフに写真だけ載ってて、位置が全く示されてませんでした…
ひっそり外観を見させていただきましたが、実にいい建物でした。

ここはぜひ一度訪れるべき

位置の特定はしませんが、ヒントはこのガード。

ガウディハウスのヒント

持光寺から始まる七佛めぐり
尾道では今、『七佛めぐり』というイベントをやっています。
これは7つの寺をめぐって御朱印をもらったり、ブレス念珠をもらうイベントです。
私はブレス念珠を集めることにしました。

持光寺は内部拝観もできるので、「国宝は何もないですけど…」と言われながらも拝観。
尾道の寺院全般に言えることなんですが、建物もお庭も含めて、非常に維持管理が行き届いているんですよね。
大変いいお寺でした。

七佛巡りのスタートになりやすい持光寺

庭園もいい

光明寺とお猫様

「古寺巡り」のルートを参考にしながら進んでいくと、光明寺というお寺が。
そしてこの境内に、ものすごく人懐こい猫がいました。
私が撫でても逃げない猫って、非常に珍しいんです。
本当に、人目をはばからず撫でまくってしまいました。
あずまんがの榊さんをここに連れてきたいですね。

猫発見!

近づいてきて…

この恍惚の表情! なおこの写真は猫のスピードにも反応できるというのが売り文句だったカメラで撮ってます

千光寺新道と尾道の道
尾道で最も有名な道が、この「千光寺新道」じゃないかなと思います。
坂から海を見渡す絶景で、本当にすごくいい光景が広がります。

千光寺新道から見下ろす形。尾道と言えばこの構図があまりにも有名

千光寺新道

こういった道をはじめ、様々な路地が非常に印象的なのが尾道の特徴。
うっかり知ると、知らない道でも一本入ってしまいたくなります。
なお、道は迷路になっているので、引き返す勇気も必要。
なにせ地元の人に旅人である私のほうが道を訊かれるくらい道が入り組んでおりますので。

こういう路地もいい

艮神社
「時をかける少女」の舞台にもなったと言われている神社です。
なにがすごいって、この神社の真上をロープウェーが普通に通っていくということ。
なかなかすごいですよ、この光景は。

艮神社

親方、空からロープウェーが!

艮神社境内

千光寺平
そしてロープウェーで上って千光寺平へ。
ここは尾道観光でまず外せないところだと思います。
山あり、海あり、島あり、お寺あり、坂ありの尾道をすべて堪能できます。
ロープウェーの駅や、展望台などから尾道を一望することができます。

ロープウェーからの眺め

ロープウェーおりばも貴重なシャッターポイント

拝啓、展望台より

千光寺へ至る道の途中は「文学のこみち」となっていて、名だたる作家の名前と文章が刻まれた碑が。
尾道は古くから文学の町でもあるのです。

志賀直哉の暗夜行路が彫られている

こちらはあの有名な「放浪記」

千光寺
尾道の風景を独占するお寺、千光寺。
尾道観光の代名詞の一つでもあります。

千光寺境内からの贅沢なショット。朱が海のあをによく映えます

千光寺拝殿

千光寺の鐘楼

境内全容

お寺としても非常に魅力あるところなのですが、ここでは鎖を使って岩山に登ることができます。
…また登るのか。

とりあえず、登った時の様子を写真でご覧ください。

下にチラッと写ってますが、くさりです…

石鎚山頂上の権現さま


千光寺には沢山の人がいましたが、登ったのは本当に数えるほどじゃなかったでしょうか。
でも、ここから見る風景は格別で、登った人だけの特典だなと思いました。
後続の人の写真を撮ったりして、ちょっとした交流も楽しめました。

ご褒美のような風景

あと、毘沙門堂では数珠回しとかもできます。

数珠をまわして願いをこめます

天寧寺
三重塔「天寧寺海雲塔」がとても印象的で、お寺よりもこの塔をどう見るか、というほうが観光的に強くなっちゃってるかなと思います。
それでも、古くていいお寺ですね。

天寧寺

天寧寺海雲塔

天寧寺海雲塔を下から

ねここねこ

御袖天満宮
「転校生」の階段の場所としても有名な天満宮です。
なんでここなのか…と思ったら、石段が長いんですよね。

階段落ちで有名な御袖天満宮ですが、天満宮の下からもうこんな石段になってます

鳥居をくぐったあたりですが、ここからもだいぶ石段が長いです

なお、天満宮としても非常に歴史を感じられました。

拝殿!

七佛めぐり・フィナーレ
その後も大山寺・西國寺・浄土寺を巡り、七佛めぐりも佳境に。
その様子は写真ダイジェストで。

大山寺

西國寺。ライブ開催のため境内には入れず

シンボルである三重塔も同様に遠巻きに見るのみ

浄土寺

伽藍の造りが比叡山や高野山を髣髴とさせます

そして最後のお寺、海龍寺に。
名前的にも気になっていたのですが、とてもいいお寺でした。
最後に「お疲れさまでした」と言われて、海龍寺の門をくぐって外に出た時に、終えた達成感と不思議な充足感が上がってきて、少し泣きそうになりました。

海龍寺。尾道中心地の最も東に位置します

おのみち映画資料館
最後に映画資料館に。
今とは時代が違うと言われてしまえばそれまでですが、小津監督の映画制作秘話などを中心に特集されていて、勉強になりました。

おのみち映画資料館。基本的に小津安二郎推しです



尾道は、すべてが詰まってるむちゃくちゃいい街でした。
本当に、ここに住みたいぐらい。
機会があれば、また来たいです。

吉備津神社
場所を岡山に戻して、吉備津神社へ。
このあたりも自然や緑に振り切る感じに風景がいいですね。
いつかの浅井朝倉遺跡を髣髴とさせます。

駅から吉備津神社までの参道

非常に自然豊か

山門が実にいい感じです。
山門から石段が伸び、一体的に拝殿に向かうような造りになっているのですが、ちょうど行った時間の光の集まり方も相まって、非常に幻想的な光景でした。

吉備津神社山門。石段を上ってこの山門が出てきた時はかなり印象に残ってます

拝殿

本殿はこうなってます

この吉備津神社の特徴は、回廊がとても長いこと。
このあたりは観光パンフなどでも取り上げられていますが、なかなかいい感じでした。

吉備津名物、長すぎる回廊

回廊と言いながら、実は行き止まりです


後は道路を挟んですぐの宇賀神社というところがあって、こちらは時間と太陽の方向の関係であまり撮れませんでしたが、かなりよさそうなところだったので、今度は朝市にでも来たいなと思ってます。

宇賀神社。回廊からもとても特徴的に見えます

逆光に阻まれてこの写真が限界でしたが、実際はもっとよく見えませんでした

3日目
倉敷:晴れ

倉敷美観地区
倉敷には朝早い時間に付きました。
大原美術館の混み具合が読めなかったのと、どうせなら人がいないときに回りたいなと思っていたためです。

美観地区は情緒あっていいのですが、どうしても美観地区ということだけあって「揃えました」的な印象もありました。
悪くはないのですが、機になる人は気になっちゃうかなという感じ。
偶然の産物である脇道とかのほうが魅力的でしたね。

倉敷美観地区。何度やってもいい写真が取れなかったので、カクテル光線が映ってるこの一枚で

有隣閣

美観地区が一回曲がるところ

このように建物が立ち並びます

対岸は白壁が立ち並びます

水路を橋下から

橋の左側にあるのが観光案内所です

本当はこういう道のほうが好きです

中国銀行倉敷支店

阿智神社
あんまり観光の目玉としては出てきませんが、とてもいい神社でした。
特徴として、拝殿の後ろに控える本殿ががら空きで見放題です。
神社も古さを醸し出して、たぶんゆっくり居ても飽きないですね。
境内の端からは、倉敷の町がよく見えました。

阿智神社

本殿がよく見える造り

絵馬殿。休憩所とか展望台としての用途のほうが多そうです

天井には十二支が

絵馬殿から倉敷の市街を眺めると

大原美術館
開館前に並んで、まさかの一番乗り。
趣味柄、並ぶのは慣れてますから。

大原美術館(開館前)

受胎告知とは縁遠そうなこのお店、名前が「エルグレコ」

待っている間に、館のキュレーターさんと世間話も交えて色々お話を聞くことができました。
たまたまのタイミングだったと思うのですが、そこで色々聞いたのでより美術館を楽しめたというのはありますね。

なお、半数くらいの有名な作品が他美術館に貸し出されているとのこと


作品の中ではやはりフレデリックの「万有は死に帰す、されど神の愛は万有をして蘇らしめん」が一番印象に残りました。
大原美術館の横幅を決めたと言われるこの作品は、ぜひ生で見てほしいと思います。

大原美術館本館

児島虎次郎記念館。この他に「分館」「東洋館・工芸館」があります

あとは、特別展をやっていた谷保玲奈さんの作品「繰り返される呼吸」もよかったですね。

谷保さんの特別展を知らせるポスター

その他、見ていて気になった作品をメモしてきたので、書いてみます。
●舞台裏/フォラン
●和服を着たベルギーの少女/児島虎次郎
●連馬/デルヴァン
●受胎告知/エル・グレコ
●人類の復活/シュトック
●童女舞姿/岸田劉生
●陽の死んだ日/熊谷守一
●広告“ヴェルダン”/佐伯祐三
●集中する力 I/堂本尚郎
●芝の上/児島虎二郎
●藪/児島虎二郎
●風花雪月/富本憲吉

「信仰の悲しみ」をはじめ、有名な作品がけっこう他の館に貸し出されていることもあり、見れない作品もありましたが、それでも非常に充実した時間を過ごさせてもらいました。

倉敷散策
大原美術館を見終わったあたりで相当の充実感だったため、あとは倉敷の街を歩き回ったくらいなのですが、ここも楽しみながら店を巡るのはなかなか面白いですね。
目を引く物やおいしい店も多数ありました。

舟が。なんか近江八幡を髣髴とさせます

終わりに
天気にも恵まれ、大きなトラブルもなく。
何処をとっても「また行きたい」と思えた、そんな素敵な旅でした。

そして、今回は本当にいろいろな人と話をしながら、旅を進められたなと思います。
旅で出会った人は、基本的に再び会うことはありません。
でも、その思い出って、消えないんですよね。
助けられながら、いいエピソードを共有させてもらいながら、「ただそこに行った」だけじゃない旅になりました。



こぼれ話になりますが、この旅は本来は昨年の9月に行く予定でした。
体調を大幅に崩したことで行けませんでしたが。
今回は、1日目と3日目の行程が入れ替わった以外は、基本的に昨年のスケジュールを踏襲しました。
どうしようかなとも思っていましたが、今年行くことができてよかったです。


色々、まとまらないくらい得た物があって、今後に繋がっていくんじゃないかと思います。



執筆 2014年9月16日
TOPへ戻る