遠野伝承紀行

さて、マヨヒガこと遠野から帰ってまいりました。


遠野での主な交通手段は自転車。
今回は、2日間で約70キロという距離をレンタサイクルで激走したり、
そのうち一日は雨に降られてえらいことになったり。
そんなこともあり、普段とはちょっと違ったレポートの書き方をしてみます。
流石にお尻は痛い・・・ハチクロの竹本君すげーなと思った次第であります。

遠野とは

岩手の真ん中に位置する、マヨヒガをはじめとした民話の里です。
水月(F&C・FC01)、東方妖々夢(東方Project)をはじめとし、様々な作品の舞台となっていますが、
最も有名なのは柳田国男の「遠野物語」。
そんな、どことなくミステリアスな雰囲気を醸し出している「遠野へ行こう!」と思ったわけです。

実際に行ってみると、受ける印象はだいぶ違いました。
遠野は、まさに『誰もが思い浮かべるふつうの田舎』
確かに人気(ひとけ)がないところに民話の跡が残っていたりはしますが、
ミステリアスさがあるのはカッパ淵ぐらい。
本当に、THE・田舎といった感じです。

遠野のサイクリングには3つのコースが用意されており(トリムFO)、
「物語」「奇岩」「歴史」と、どれも20キロオーバーのコースなのです。
私はメインを『物語』と『奇岩』において周りましたが、
結局福泉寺やふるさと村まで足を伸ばしたので、
結果的に3ルートは殆ど制覇したことになりました。

ちなみに、普段運動する習慣のない人は、全コース回ろうとするのは無茶です。
もし制覇したい場合は、観光協会の人と相談してみてください。
ちなみに、だいたいの名所を回るのであれば、やはり車がオススメです。


遠野をめぐる
なにぶん数が多いので、全部紹介はできませんが、覚えている限り紹介していきます。


百姓一揆

こういった所でも、遠野では名所なんです。

さすらい地蔵

さすらい歩く地蔵。

遠野郷八幡宮

八幡の中に馬場があるという非常に珍しい神社。
周囲は自然豊かですが、その種類が神社という感じではないので、非常に不思議でした。

霊夢巫女さんはいませんでした。






追分の碑


キツネの関所


古道跡

なんと小学校の敷地内にあります。

早池峰古道跡

本来は背後に野が広がっているはずですが、今は奥がビニールハウスになっているようです。
ちょっと残念ですが、生きている田舎なので仕方ありませんね。

常堅寺

カッパ淵を抱えるためにそちらの印象が強いですが、由緒あるお寺です。
山門の両側に鎮座する二体の仁王像は歴史を感じさせ、非常に迫力がありました。


カッパ淵

遠野でも屈指のおなじみ名所。
写真ではやや明るめに映っていますが、人通りが少ない時のカッパ淵はミステリアスな雰囲気が漂っていました。

ただし、それだけではなく、名人しか扱ってはいけないという竿が立っていたりと、
エンターティメント面でもクスリとさせられる趣向が凝らしてあったのがgoodでしたね。

にとりはいませんでした。




阿部屋敷跡

カッパ淵の奥になるので見落とさないように。


これもある意味名所?

馬っこつなぎ

確か6月15日の日に行われるはず。

小烏瀬川

遠野の伝説を生んだ源の川。

大槌街道跡

オシラサマ。

デンデラ野

姨捨の伝承がある野です。
ただの青々と茂る広大な野原と言ってしまえばそれだけなのですが、
遠野の一部を見渡せます。
一部と言ったのは、遠野があまりにも広すぎて、全体を見渡せるところがあまりないんですよね。
デンデラ野からほんの少し下ったところのほうが景色がいいです。

蓮子とメリーはいませんでした。

山口の水車

自転車をひたすらこいでいった最奥に、水車小屋が鎮座しています。
色々な観光地に水車ってあったりしますけど、山口の水車はまさにホンモノ。
実際に見ていただくのが一番なのですが、その使われている感などが段違いなのです。


ダンノハナ

見晴らしがよい。

佐々木喜善の家

遠野物語のもう一人の父の家。

遠野幻想物語

橙はいました。

山崎のコンセイサマ

このあたりでは一番大きいコンセイサマと言われています。
山を登っていく所にあるのですが、今考えてみればこのあたりがマヨヒガにいちばん近かったのかなあと。
ここではエピソードがあったので後述。

たかむろ水光園

山を登り上げるとこの水光園があります。
ぶっちゃければ、自転車で登るのも(途中からは自転車禁止)歩いて登るのもきついです。
奥にあるわりには管理が行き届いているなあと思いました。
そこまで有名なスポットではないんですけれども、よかったですよ。


旧村兵商家

手前は学校で、奥が旧村兵商家。

法華題目の碑

遠野の中ではやや立派な碑

卯子酉様

「左手だけで赤い布を結びつけることができたら、縁が結ばれる」と言われていますが、
伝承をひも解いてみると、どうも片葉の葦に赤い布を結び付けたら願いが叶うということだったようです。
印象に残るこの「赤い衝撃」は、実は参拝客の手によって紡ぎだされたものだったのですね。


五百羅漢

巨石群の一つ一つに羅漢様の絵が描かれているということからこの名がついた「五百羅漢」。
最初はどうも裏手に回ってしまったらしく、岩がある風景だけかと思っていたのですが、
メインになる道に降りてみると、なるほど五百羅漢だなあという感じになりました。


愛宕神社

石段が無茶苦茶急でした。

光明寺の綾織

綾織町にある光明寺には、綾織伝説が伝わっています。
現物を見ることはできませんが、このお寺にはその様子が描かれた絵巻が壁にあがかれていますので、訪れてみるとよいかもしれません。

千葉家の曲り家

家が"く"の字に曲がっていることから付けられた、岩手独特の家の作り。
遠野ではここが最も有名でしょうか。
道路から登った高台にある大きな家で、見上げてみると壮観ですし、ここから見下ろす風景もまた壮観です。
ちなみに、この形の家は遠野ふるさと村にもあります。




続石

弁慶が持ちあげたと言われる、上の石のほうが下の石より大きいという不思議な巨石。
写真で見ると「こんなもんか」と思ってしまいがちですが、
その圧倒的なスケールに言葉が出ませんでした。
これは本当に現物を見る価値があります。

遠野ふるさと村

遠野の昔の様子を模して作られた広大な村。
「マヨイガの森」や古い家等が立ち並び、映画のロケなどでも使われているようです。
あとは、とても大きな馬がいたり。
村自体が非常によく管理されていて、時間が経つのを忘れてしまうくらいよかったです。

ナナミ様や雪さんはいませんでした。










福泉寺

遠野の中ではかなり大きいお寺。
五重塔は年気を感じる古さで印象的でした。




一人旅ふたり
山崎のコンセイサマのところで、茨城から同じく一人旅に来ていた社会人と遭遇し、途中までご一緒しました。
じつはこの方、カッパ淵で出逢って、ここでまた偶然再会したのです。
途中にある石を(私が)コンセイサマだと間違えたり、山道を登って行ったり、廃バスを見つけたり…
現地で他の観光客と一緒になって回ったりすることって本当に少ないので、貴重な経験でした。
このあとは、行き先が違ったので「またどこかで」と言いあって別れました。

敢えて名前も連絡先も聞きませんでしたが、似たような旅先に行っているみたいでしたので、
また今度は別の観光地でバッタリ出くわすんじゃないのかなあと思ってます。
こういう一期一会の出会いも旅の醍醐味です。

太極拳おばあ様
挨拶をきっかけに現地の”おばあ様”と歓談させていただいたりもしました。
非常に元気かつ博識な方で、
遠野と拾戸の由来とか、
仕事がなくてどんどん若者が都会に出て行ってしまって高齢者しかいないとか、
遠野各地の名所の掃除を地域でやっているとか、
現地ならではの興味深い話を色々伺うことができました。
こちらも本当にいい経験でした。

とおの探検隊

遠野という復興拠点
東日本大震災で、震度5強を食らったものの、被害はそれほどなかった遠野。
宮古や釜石に近いという地の利点を生かして、今は復興拠点となっています。
駅にも、こんなポスターが。
ぜひ遠野へ足をお運びください。


遠野というあったかさ
この他にも、
駅前遠野市観光協会のおにいさま・おねえさま方には最初から最後までお世話になりましたし、
宿の方も本当に親切に対応してくれ、
豪雨に降られた先の観光地では係員の人が本当に気遣ってくださったりと、
本当に温かい人柄に触れることができました。
みなさん、本当に親切でいい方ばかりで、またお会いしたいですよ本当に。

遠野市観光協会。レンタサイクル貸出もここ。大変お世話になりました

とてもお世話になった自転車

遠野の魅力は、やはり『誰もが思い浮かべるふつうの田舎』というところ。
今回、雨の影響もあり、また自転車がメインだったこともあってあまり写真は取れていませんが、
その中で一番多いのが何の気なしにとった遠野の風景なんです。
以下にちょっとご紹介しますが、これだけでも魅力は分かってもらえると思います。











遠野の観光というのは、行き残る術なんですね。
「なにもない」だったところから、遠野物語が出て、カッパが出てて、
色々な試みを持って観光を盛り上げていこうとしています。
ある意味、遠野物語をバックボーンに添えた遠野の観光というのは、「作品をモチーフにした観光」の走りかつ最大級の取り組みだと思います。
現地の方曰く、それしかないと。

水木しげるの絵が描かれた定期観光バス

でも、実際に遠野に行ってみて、
ここの魅力というのは、「なにもないがある」なんだろうなあと思いました。
何気ない田舎の風景。
だんだん都市化していった日本において、私達が忘れてしまったものが、ここにあるってことだと思うんです。


”遠い野原”と書くくらい、ちょっと遠いところではありますが、
私は全力をもってお勧めします。

執筆 2012年7月16日
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