越前若狭漫遊記

「永平寺は、入ることができる所であれば自由に写真を撮ってよい。」
この文言に惹かれて、永平寺に行こうと思ったのが、この旅の直接のきっかけです。

福井には行ったことがあったのですが、記憶にあるのは東尋坊だけ。
でも、色々な観光地が点在しているんですよね。
そこら辺を適当に調べて、2泊3日で行ってきました。

例のごとく、すんなりとはいきませんでしたが…

1日目
台風
出発日は、台風15号が日本列島を襲った翌日でした。
今回の台風は各地に爪痕を残していたこともあり、決行か中止かかなり迷いました。

鉄道が全部動いていることを確認し、決行に至ったわけですが、
甘かった

北陸側は、台風の”残り”が残っていて、大雨だったんですよね。
電車は当然のごとく遅れました。
特急が40分遅れ、接続列車も動く気配がなく、特急(それでも相当遅れている)に飛び乗り何とかロスを少なくしようと画策し、
福井に着いたのは予定時刻の1時間後。
1時間後のバスに乗ることができたので、ロスは1時間で済みました。

ちなみに、東海道周りはどうだったかというと、
こちらも台風の影響で大阪からの便や米原経由の便が軒並み大幅に遅れていたため、どちらでも同じでした。
乗り継ぎや乗車時間が多い分、北陸ルートでよかったかもしれません。


当初は先が思いやられる行程でしたが、
振り返ってみると、このスケジュールが必然だったのではないかと思います。

永平寺
北陸は山がきれいですよね。
昔は「東山道」と呼ばれたくらいですし、よく考えてみたら東山道に属している県ってみんな山がきれいです。
そんな、福井や北陸独特の山並みを見ながら、永平寺へ。


まず感じたのは、その壮大さ。
門前からそのすごさを感じることができるのですが、
建物も緑も圧倒的な迫力で迫ってくるんですよね。







永平寺の代名詞でもある「唐門」

まず、雲海さん(お坊さん)が永平寺の説明をしてから寺内を回るのですが、
実に私好みの木造建築で、かれこれ1時間くらいぐるぐる回ってました。
寺の外には出ることができないので、写真については取りづらい部分もありましたが、
その分目に焼き付けてきました。

絵天井















見落とされがちな所ですが、その隣にある寂光苑もいいです。
こちらも緑豊かで、滝が流れていたり、突いていい鐘があったり。

寂光苑





そこから脇道が出ていて、ここを登っていくと見晴らしがよく、愛宕堂に繋がっているようですが、
登ってみるとわかりますが非常に険しいあぜ道で、一歩間違ったら命の危険があるところでした。
なんで私は旅行の度にこういうところばかり行くのでしょうね…
皆さんは真似しないようにお願いします。

ある程度まで登って、永平寺を多少上から眺められるくらいのところまで入ったのですが、
その先の階段を上る気力もなく、4分の3くらいで引き返しました。
これも含め、今回の旅では「行こうと思って断念して引き返す」を何回かやります。

永平寺俯瞰

ここで断念・・・

旧養浩館庭園
場所を移して福井市内。
予定にはありませんでしたが、時間もあったので旧養浩館庭園に行くことに。
徳川家康の二男・秀康が住んだところのようです。
行く途中で、台風のような豪雨に見舞われたりと、やはり幸先はよくないですね。


この前の京都旅から、庭園に惹かれるようになってしまったワタクシですが、
値段的には210円と、庭園としては異例の安さです。
しかし、内容は値段とは比例せず、自然豊かで、とても良い庭でした。
緑豊かなのは、福井だからこそなのかもしれません。

旧養浩館庭園






旧養浩館の中に入ることができるのですが、
雨宿りを兼ねて、ぼーっと池を眺めることができました。
こういうことをしていると、自分の家に不思議と庭が欲しくなるんですよね。
今までそんなことを思ったことなんかなかったのに。

旧養浩館空の眺め

あと、ここは鯉が非常に元気があって面白かったです。
カメラを向けると、餌をもらえるかと勘違いして、一気に寄ってくるんです。


福井県庁(1回目)
最近、旅先で暇があると市役所とか県庁とかを見に行くことがあります。
公僕による官公庁ランドスケープといったところでしょうか。

といっても、福井県庁の場合は意味合いが違います。
ここは、かつての福井城の跡地に造られたため、周囲に堀がめぐらされており、城址も残っているんです。

残念ながら、この時間になると真っ暗で殆ど見えないんですよね。
翌日、リベンジすることになります。

2日目
福井市内には路面電車が走っているんですね。
コカコーラ電車が印象的でした。

佐佳枝神社
元々は福井城の内社だったそうです。
敷地は結構広く、しっかりした石造りの神社ですが、
目につくのが鳩の多さ。
バッサバサ飛んでました。

佐佳枝神社




越前岬
今度は日本海へ。
台風一過とはよく言ったものですが、気持ちがいいくらいの快晴で、これまでにないくらいの海でした。
新潟に行った時は晴れすぎて霞んでましたし、天橋立の時も曇ったり雨が混じったりしてましたしね。
台風が湿気を全部持って行ってくれたのかもしれません。

越前海岸

ここは東尋坊からは少し距離が離れているのですが、「東映」のようなごつごつした岩が海岸線沿い一帯に見受けられます。
これが越前海岸の大きな特徴です。


その中で最も目を引くのが、岩壁に穴が開いた呼鳥門。
とても大きいです。
その他に、鳥糞岩などの地形がありましたが、陸地からは見ることができませんでした。

呼鳥門

右側の岬の先端が鳥糞岩

越前岬灯台があるということで、1キロほど登ろうとしたのですが、
舗装されている道路ではあるものの非常に斜度のある山道で、体力的に持たず断念。
でも、その途中からの展望が非常に良かったです。
今回こんなのばっかりです。



越前岬とBlackbird

波が結構来ていたので、「越前水しぶきランドスケープ」の撮影に挑んだり。

越前水しぶきランドスケープ

最後は、岩場に登ってみました。
険しくはあるものの、過去の旅行で培った謎のバランス感覚と意地で登ってみたり。


ここまで晴れていると、気分もかなりいいですね。
大声で歌を歌いたくなるような、そんな気持ちのよさでした。

福井県庁(2回目)
リベンジです。
今度は真っ昼間に来たので、よく見ることができました。

福井県庁。お勤め御苦労様です

お濠は、各地のものに比べてもかなり幅がありますね。
姫路城くらいあったような感じがします。


そして石垣や天守閣跡。
こちらも、かなりスケールがでかくて、写真ではその光景を再現できません。
実際に行ってみるのが一番分かると思います。

福の井(県名のネタ元)




県庁の中に入って俯瞰撮影するのが一番構図が分かりそうですが、
出来るかどうかもわからなかったのでやりませんでした。

福井県立恐竜博物館
福井県の奥、勝山にある恐竜博物館です。
福井県は、恐竜の化石の発掘でも有名で、「フクイリュウ」などを掘り出しています。

福井県立恐竜博物館

駅から意外と遠いのですが、これは土地が山の上にあって広大なため。
ここまで恐竜に関する展示や資料を集めたところは、ないでしょうね。
現実にこうであっただろうという動きを再現したティラノサウルスは、ただただすごいの一言。
止まってくれないので、あまりうまくは取れませんでしたが…
ちなみに写真撮影はフラッシュを使わなければ可能。
実際に行って欲しいので、撮影枚数は多いものの、あまり載せません。

※実際に動きます



福井県立恐竜博物館の全体

恐竜だけでもすごいのですが、個人的には、むしろそれ以外の展示でした。
恐竜については、恐竜を歌っているから当然、という見方も出来るのですが、
ここに展示されているその他のもの、
例えばプレートテクトニクスだったり、生物の進化だったり、
そういった所までしっかりカバーしていて、しかも見ていて飽きないところが非常に素晴らしいです。
カンブリアンQTSではおなじみ「アノマロカリス」や、
こちらも人類学ではおなじみ「ルーシー」(人類の母)
などなど、雑学に長けた部類にとっては非常に興味深いところでした。

電撃大王(2004年頃?)でおなじみ、アノマロカリス

人類の母、”ルーシー”。調べてみたらビートルズの曲がネーミング元らしい

ただ、ここはもしかすると大学4年の時に来たかったかもしれません。
公務員試験の時に必死こいて詰め込んだ地学とかの知識をそのまま持ったままこれたら、面白かったなあと。
今でもそれなりに残ってはいるのですが、やはり、勉強している時に来るのが一番いいですよね。

や ら な い か

3日目
気比松原
日程の関係で、早朝に特攻をかけることに。

三大松原のひとつ、気比松原です。
今まで私は、三大松原を「天橋立・三保松原・気比松原」だと思っていたのですが、
どうも、一般には天橋立は含まれず、虹の松原が入るようです。

気比松原

オッス、オラ悟空消防団




松の密集率は非常に高いのですが、
あまり時間がなかったため、ゆっくり見れませんでした。
浜は結構荒れてました。

気比神宮
越前語句一宮、気比神宮です。
…一宮も相当回ってるような。

気比神宮

かなり古くからある官幣神社で、どんなに遅くとも692年には鎮座されており、日本書紀にすら名前が出てくる神社です。
建物自体からも、由緒が見てとれるのですが、
ここで目を引くのは、境内に松があること。
松原が近くにあるためでしょうか。












敷地内にはいくつかの神社があります。
また、神明苑があり、この風景もなかなか良いです。

神明苑

敦賀
気比神宮から敦賀駅の間は、「銀河鉄道999」のブロンズ像が点在しています。

建設省(幻想入り)

銀河鉄道999より

また、敦賀駅のホームは大きく曲がっています。
これはスイッチバック駅だった名残だそうな。

敦賀駅

一乗谷
最近では某「おとうさん」でも有名ですが、朝倉氏ゆかりの地です。

一乗谷にて

厳密には電車に乗っている時点からなのですが、
駅を降りて目にするのが、広大な一乗谷の風景。
周りは緑の山、そして一乗谷川。
あとは朝倉氏遺構がちらほら。
そんな非常にのどかな所です。

緑豊か

博物館で、幸いにも無料でレンタサイクルを借りることができると知ったので、借りて巡ることに。
とは言え、山道なども多いので乗りっぱなしではないんですけどね。

復元町並をみたり、色々しながら回りましたが、
史跡としてはもちろん素晴らしいのですいが、それ以上に自然が素晴らしいんですよね。
近年掘り出されたという庭園(石庭ではあるが水があるので庭園?)もとてもよかったです。



下城戸

瓜割清水

一乗谷の日常





復元町並

朝倉館跡



庭園

上城戸

ここでまた、一条滝までサイクリングするという暴挙に出ますが、ちょっときついなと思って断念。
ただ、そこから断念して下まで下って来る道が非常に良くてですね、まるで「一乗谷ダウンヒル」と言っても差し支えないほど。
とても気持ち良かったです。

越前大野
最後の最後で大波乱があった越前大野。
越美北線(九頭竜線)の本数がないため、バスで行くことに。

そしてついて、まず何をしたかというと、
道に迷いました

この旅っでは今のところ発動していなかったんですけどね…
越前大野は、観光という観点では非常によく街づくりをしているんですが、
何故か迷ったんですよね。

親切な地元の方に、中心部まで案内していただきました。
ありがたいことです。
小京都めぐりをしていることを一発で見抜かれましたが、
あまり意識してなかったものの、よく考えたらけっこう行っているなあ…

七間朝市。午後だったので朝市はやっていない


寺町通り。各宗派の寺院が立ち並ぶ

悪いことは重なるもので、2時間しか時間が取れなかったということがここで災いし、
さらに越前大野城へ戻る道が一部封鎖されていて、最短ルートで山に登れなかったのです。
ただでさえ越前大野城は駅から遠いのに、さらに遠回りして石段を必死こいて登りました。

登ってみると、撮影ポイントこそ困りましたが、非常に美しい山城でした。
中に入る時間はありませんでしたが、よかったです。
実はふもとからでもしっかり見える越前大野城。
そう考えると、遠くからの見栄えもよいということは、実用性的には危なかったのでは、とも思ってしまったり。
まあ、戦国時代にそこまで届く武器はなかったでしょうが。

越前大野城





御清水

終わりに
今回の旅は、特に意図していたわけではないものの、
福井の歴史ある所を回ってきたという感じになったかなと思います。
台風にはじまり、行こうと思って断念を繰り返したりと、筋書き通りにはいきませんでしたが、楽しかったです。
予定にないところもいくつか回ることができましたし、嬉しいサプライズもありましたしね。

日程としては、本当にドンピシャだったんですよ。
初日の遅れは、元々永平寺を3時間としていたのを2時間とすることで調整ができましたし、
2日目の午後は雨だったのですが、恐竜博物館に避難していて喰らいませんでしたし、
今考えると、越前大野と一乗谷をひっくり返していたらもしかすると…というのはありましたが、それくらいで。


ただ、ひとつ言えることがあります。
それは
福井は車で来た方がいい
ということ。

今回、私は公共交通をカツカツに使って回ることができましたが、
基本的に観光地は分立していて、その間の距離もそんなにありません。
実は、永平寺と一乗谷とか、恐竜博物館と越前大野って、近かったりするんですよ。
越前岬に行く途中には織田の劔神社もありますし、
敦賀から少し足を延ばせば、行きたかったけどなくなく断念した三方五湖も。
今度来る時は、来るまで来たいところです。

執筆 2011年9月25日
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