飛騨路大雪珍道中


新年の大寒波が日本列島を襲った頃、そんなことはつゆ知らず旅行にのこのこと出かけた男が一人。
行き先は飛騨高山。
飛騨には、小学生の頃旅行に行くはずだったのが人数不足で中止になった、という苦い思い出があったりします。
図らずも”10年越しの飛騨”となりました。

久しぶりの日帰りでない旅になります。
なかなか連休が取れないので難しいところですが。
日帰りには日帰りの、泊まりには泊まりのよさがあります。

今回は18きっぷ旅の集大成でもあります。
以前の「横浜」や「栃木」はこの旅行の伏線でした。
さて、その集大成はどうなったのか、その珍道中をご覧ください。


1日目
この日は快晴でした。

/~\
まだ目的地へ行く途中に、こんなエピソードがありました。

新幹線に乗って静岡を通過した際、進行方向右手に富士山が見えました。

快晴の富士山

あまりにもよく見えたので、思わず写真に収めてしまったのですが、
その後に、なんと車掌から「本日は大変よく富士山が見えますのでご覧ください」とのアナウンス。
こんな放送、今まで聞いたことがありません。
JR東海もなかなか粋な気遣いをしますね。

幸先よいスタートでした。

熱田神宮
まずは名古屋の神宮、熱田神宮を目指します。
三種の神器の一つ、天叢雲剣に由緒があったりする神宮ですが、
正直言って、あまり詳しくは知りませんでした。
記憶の片隅にあったのが、中日が毎年優勝祈願をやっている、ということくらいでしたから。


熱田神宮東門。明らかに人が多い

人大杉でした。
行くまでに全然考えが及ばなかったのですが、そういえば初詣の時期に当たるんですね。
伊勢神宮の内宮くらい人がいたでしょうか。
密度でいえばこちらのほうが高いといえます。

印象としては、とにかく木造で朱くないということと、本殿がやけにワイドだということ。
お賽銭もシートが敷いてあって、そこに投げ入れる形式なんですね。
まさにそこに人が賽銭を投げている様子はさながら「投入堂」でした。

小銭が飛び交う

そんななか私は賽銭を遠くまで投げたくなる衝動に駆られ、自重しながらも放り投げたところ、予想より遠くまで飛びました。
本気で投げたら、かなりのところまで行きそうだなあと。
次は限界に挑戦してみたいです。

ここでは神楽祈祷を承っているようで、普通に祈祷されるよりも私はそっちの方が羨ましいです。


熱田神宮の神秘的な光景をお楽しみください





大須観音
次に目指したのは大須。
”名古屋のアキバ”として有名ですが、実際には“スーパー商店街”といったほうがしっくりくるような気がしました。

まずは大須観音。
こちらも初詣の余波でかなり長蛇の列ができており、「コミケか」と突っ込みを入れたほどなのですが、

大須観音

コミケですか

個人的に印象に残ったのは、カラクリ時計。
ちょうどその“演技”が行われる時間帯に遭遇できたので運が良かったです。
徳川宗春が浦島太郎のカラクリを見せる、という内容でした。
カラクリは約6分間続きます。
時間が2時間置きなので、なかなか遭遇できない代物ですが、観る価値は十分あります。

カラクリ時計(正式名称失念)。徳川宗春である










大須
大須観音を抜けると、そこには大須の街が広がります。
大須MAPなどを見ると広く感じますが、規模としては結構小さい方で、歩くだけならさほど時間もかかりません。

大須のどこかの通り。人の世代も性別も本当に一定ではありませんでした

ここで目を引くのが、「え?」と思うくらい多岐にわたった店の数々。
まずびっくりしたのが、タミヤショップがあったことでした。
様相は思い切り商店街なのですが、そういったびっくり店があるんですよね。

☆★

WonderGOOも私が知っているそれは普通のゲーム屋だったのに、かなりオタクナイズされていましたし、
マリオカートのプレイ時間がカンストしている店があったりと、
まさにそのさまは「カオス」と言っていいかと思います。
色々な街を歩きましたが、私のなかでは大須が最もカオスな街です。

ちなみにノコノコとヨッシーという軽量級を使用しているようです


最もびっくりしたのが、なんと天夢さんの個展が開かれていたこと。
天夢さんは旅をする同人絵師としても有名ですが、
まさか旅先でこの絵柄に遭遇するとは思ってもみませんでした。
会場は版画の販売屋なので、その部分はちょっと気をつける必要はあるかと思いますが、
結構な衝撃でしたね。

流石に私もビビった


画:天夢森流彩


東海テレビのクルーを見かけたり、
玉神様という何ともいいがたいものがあったりと、
ネタ要素は本当にここに書ききれないくらいでした。

とある大須の超商店街<ショッピングモール> 猫サイド


2日目
この日も天気自体はよかったのです。
最初は・・・

JR高山本線
飛騨に行くには、鉄道では高山本線しかありません。
その評価は「雪で新幹線が止まっても、高山本線は遅れ程度で済む」というもの。
今回まさにそれをまざまざと見せつけられたりもしました。

さて、この路線の沿線の風景はかなり絶景です。
その光景だけでも乗る価値はあるくらい、下呂温泉よろしく緑の川と険しい山のコントラストが続きます。

岐阜の車窓から

しかし、途中からちょっと風景に変化がみられるようになりました。
何か白いものが舞っているなあと思ったら、これが雪でした。

進行方向側の窓から

雪は北上するにつれてだんだんその密度を増やしていき、
風景もある所から「雪の積もった田舎」になってきました。
名古屋の平地とは気候がもう違うんですよね。

こんなきれいな雪景色は久しぶりでした


久々野という駅で列車すれ違いのため結構長い時間止まったのですが、
ここは結構積雪があって、ここでは一時外に出ることが可能でした。
なんとそこにはまるで子供のように雪遊びに興じる大人たちの姿が!
滅多に見ることができない光景でしたね。

飛騨高山
到着して直後、「ライオン」を垂れ流しながら俺妹の板車が通りを駆け抜けていきました。
何がしたかったのだろう。

というわけで飛騨に着きました。
これが駅前の風景ですが、本当に小京都の王様といった風格が漂っていますね。
観光地はこうあるべき、というのを如実に表しています。

高山市内は既に雪をかぶっており、小雪が舞う中観光することになりました。
国分寺、朝市など、ふだんはあまり目にしない光景は新鮮でした。

国分寺三重塔


宮川朝市。朝市と言っても午前中いっぱいまでやっています。なにしろ朝一番の電車が10時台ですからね。練り梅がおいしかった憶えがあるのですが、買いそびれました


左からワンピース、うさぎ、青い悪魔

高山陣屋
まずは高山陣屋に行くことにしました。
確か10年前もここに行きたがっていたなあと、そんなことを思い出します。
そんな所以もあって、ここだけは外せませんでした。

ここはかつて、役所だった所。
ある意味、私の大先輩であるところなので、回っているうちに思うところがありました。
日本は昔からこうだったんだなあと思いながら回った覚えがあります。

高山陣屋・門


高山陣屋


「御役所」

建物自体もそうですが、雪をかぶった庭も見ものでした。
写真ではパノラマで見れないので残念ですが、それはこの目に焼き付けてきました。

庭については全く評判を聞いていなかったものの、ここの庭はすばらしかったです

高山市制記念館
こちらは高山陣屋よりもっと最近の、まさにごく最近の行政の様子がわかるところ。
「既決」の箱なんか、結局今と全く変わりませんね。

高山市制記念館。無料ですが、正直100円くらいは取っても誰も文句言わないと思います


いつの時代でもこうだったんだなあ


古い町並
そして高山の名所といえば、この古い町並です。
「さんまち」など言い方はいろいろありますが、公式では「古い町並」が最も使われていたでしょうか。
狭い道の両サイドに昔ながらの家が並びます。
これぞ飛騨の真骨頂。
何処へ行ってもこういった風景はみられるようになりましたが、流石に飛騨は洗練されている感がありましたね。
今回は雪が舞う中でしたので、かなり儚い幻想的な風景でした。
写真でお届けできないのが残念ですが、そこはぜひ足をお運びください。

さんまち。飛騨高山の町並みを散策といった時には必ずと言っていいほどこういった路地がフィーチャーされます


おそらく景観条例か何かでこうなったと思われるファミマ

飛騨護国神社
ここは何がよかったかといえば、雪の中の神社だったということ。
私、これまで雪が積もった神社をあまり経験していないのです。
まさにSNOWの世界なんですね。

飛騨護国神社へつながる橋。この時点で雪がすごい


飛騨護国神社。図らずとも雪の神社と化していました。リアル龍神の社か

まあ、そんなよこしまな気持ちで行ったせいか、帰りの最後の一段で盛大に足を滑らせました。
幸い、怪我はなかったのでよかったですけれども。


さて、ここには東山遊歩道があるのですけれども、「冬の遊歩道は危ない」という前情報を掴んでいました。
店のおっちゃんにも聞いたところ、「凍結してるしなにしろ道が細いから辞めたほうがいい」というありがたいアドバイスを頂きまして、
今回は回避することにしました。

街で見つけた水車


高山別院


深いなあ

吉島家住宅・日下部民芸館
二軒とも、ちょうど屋台会館へ行く途中にある昔ながらの屋敷です。
いちおう、観光ガイドではどこでも触れているところなのですが、
双方とも普通の民家っぽく、入口が閉まっており、しかも入場料が双方とも500円かかるため、とっつきにくいかもしれません。
そのためか、あまり訪れてる人はいませんでしたが、正直穴場だと思います。
民俗学や建築など、はたまた昔の生活にほんの少しでも興味のある人にとってはお勧めできるところですね。

吉島家住宅


実際に沸かしてます。これでお茶を頂きました


天井が高い

特によかったのが、吉島家の段差のある畳部屋。
畳の和室が段々になっているところなんか、浪漫を感じますよ。

だんだんと上がっていく畳の間、よくないですか


こちらが日下部民芸館


今旅のベストショット:水路と古い町並み

桜山八幡宮
ここに来た頃には、もう雪が本降りになっていました。
ここが秋の高山祭を取り仕切っているところですね。

桜山八幡宮


この時点でだいぶ牡丹雪になっていました


豪雪地帯特有かはわかりませんが結構珍しい作りの屋根のような

屋台会館
元々行こうと思っていたところなので、入口の巫女さんにつられたとかそんなことは全然ないですよ?

何故かここは巫女さんが常駐して案内とかもしてくれるのですが、
よくよく考えたら、ここは八幡宮の関連施設なんでしょうね。
これも神社の資金となっている訳です。
よし、定年したら神主になろう。

そんなことはさておいて、展示されている屋台はなかなかよかったです。
桜山八幡の大神輿が印象に残っていますね。
巫女さんが「担ぎ手が80人必要ですが、今では背丈のそろった人が80人も集まらないため、担がれることはなくなってしまった」と解説していて、昔とは違うんだなあと空虚感を感じました。

仙人台:今はもう動かないカラクリ屋台


豊明台:豪華絢爛煌びやか


鳩峯車:三輪


行神台:


桜山八幡宮大神輿:もう担がれることはない・・・


あとは春慶会館などを見たり。


ある程度予想はしていたものの、雪の飛騨となりました。
雪の影響で回れなかった所もあったりで、マイナスになった部分もありましたが、
やはり雪の飛騨はどことなく儚さをまとって幻想的でした。
マイナス部分を勘案しても、行ってよかったと思いました。

また、今回回れていないところもかなりあります。
前述の東山遊歩道や、飛騨の里など。
少し足を延ばせば白川郷や、遠くなりますが御母衣ダムなんかもありますので、
また訪れたいところですね。

3日目

最終日は突きぬけたような晴天。
2日目は何だったんだと言いたくなります。

犬山で見つけた放送局


針綱神社


こんなところにも稲荷神社


犬山城
愛知県犬山市に鎮座する平山城。
その天守は、国宝4天守の一つに数えられます。

犬山城上へ続く石畳。今旅ベストショットタイ


犬山城・門


犬山城を真正面から

まずこの天守の特徴として、
・階段が急
・屋上のベランダ部分がみしみし言っていて怖い
というのがあります。
階段はどこも急ですが、ここはとりわけ急に感じました。
近年高所恐怖症を克服しつつある私ですが、この天守最上部で、久しぶりに足がすくみました。

城らしく階段がものすごく急


下を見れば怖い

まあ、冗談混じりの意見は別にしても、天守閣は美しいですね。
そして、天守からの眺めがまた絶品です。
木曽川や多くの山々に囲まれ恵まれた立地であることも大きな理由ですが、
ここからの眺めはいいですよ。


ここから見える風景は本当に素晴らしいです。




一番新しい城主が明らかにおかしい


天守閣を下から見上げる


針綱神社。本殿が神楽殿っぽい


城下の町並み

結びに


こんな感じで締めくくってしまっていいのかわかりませんが。
全部思い出していると書ききれなくなりますので、ここら辺でまとめとします。
写真の選定にはいつも大変頭を悩ますのですが、今回は特に泣く泣く切った写真が100枚単位であります。

今回の旅は、「これ」という観光スポットに行ったわけではありません。
飛騨にしても、どでかい何かがあるわけではありませんし、
犬山城にしても、国宝ではあるもののそのためだけにわざわざ関東から金をかけていくところかといえば、普通の考えではそうならないと思います。

ただ、今回行ったところは本当に情景がよかったんです。
飛騨なんかはまさに雰囲気を楽しむところでしたし、その意味では、今回の旅は大成功だったと思います。


図らずとも、いろいろ考えさせられた旅でした。
特に飛騨は、「高山陣屋」「市制記念館」など、行政に関わる史跡も山ほどあり、改めて行政のやることってて後世に残るんだなあ、そして根底は変わっていないんだなあということを目の当たりにしました。

あとは、ちょうど就職やセンター試験の時期だったからかもしれませんが、電車内で勉強している人をたくさん見かけました。
それを見て、みんな頑張っているなあと思うと同時に、私も勉強しなければ、ということを珍しく強く思ったんですね。
それも、今だけではなく、将来的に何がやりたいのかを見据えた勉強を。

色々な人と話をした旅でもあったかと思います。
かつて、私の一人旅ってその名の通り「一人旅」で、誰とも喋らなかったんです。
昨年の松島あたりまではそうでしたかね。
それが、一人卒業旅行(天橋立)あたりから人と関わることをだんだん覚えていって、
今回は旅先で話を少しずつ楽しめるようなそんな感じになったなあと思います。


前から言っているように、私にはいい時にいい何かに巡り合う能力が備わっているのだと思います。
今回の旅も、行くべきして行った、そんなふうに思えて仕方ありません。

旅は人を成長させる、そう言います。
今回の旅が私自身を成長させていればいいなあと思いながら、この旅行記の結びとします。

(注)動きます



執筆 2011年1月12日
TOPへ戻る