龍神村へ。(龍神温泉はじめ和歌山もろもろ旅行記)


これは、儚雪の空管理者、風花の7月24日から26日に掛けての旅行の模様を綴った旅行記であります。

まえがき

社会の荒波に揉まれ続けてはや4ヶ月。
ゆっくり旅がしたいと思い立ち、『休息』も兼ねて行ってきたのが今回の旅です。

行き先は、ずばり「龍神村」。
そう、SNOWにも出てきたあの村です。
・・・とはいえ、同じなのは名前だけで、元になったのは京都府旧美山町なのですけれども。

龍神村がどこにあるかというと、和歌山県の田辺市というところにあります。
最寄駅はきのくに線「紀伊田辺」ですが、なんとここからバスで1時間40分もかかるんです。

龍神温泉でずっと過ごすのもいいかなあと思いながらも、やはり他にも行ってみたいなあと思い、
和歌山の観光地を転々としながら旅をすることにしました。


7月24日


特急 南紀

新幹線で名古屋まで出て、そこから特急で和歌山入りするのが一つのルートです。
名古屋までは前回の旅で沿線をよく見ているので、気になったことは「浜名湖に厳島神社っぽいのがある」ことくらいでした。

名古屋から特急「南紀」に乗り込み、一路那智勝浦を目指します。
この特急、遅いし、列車すれ違いで駅でもなんでもないところで何度も止まるしで、交通手段という意味では駄目駄目なのですが、
車窓から見える海や山の景色が素晴らしくて、乗っていて本当に楽しい路線でした。

きのくに線の車窓から

熊野那智大社

那智勝浦といえば、世界遺産にもなった「熊野古道」の三山の一つ、「熊野那智大社」があります。
三重塔と滝のコントラストが有名で、町自体ではまぐろ漁港として有名です。


ここには、比較的歩きやすいと言われる「大門坂」があります。


 
大門坂

写真からもわかるように、まさに「異世界への誘い」と言っていいような雰囲気です。
しかし、問題なのは、「熊野古道」といいながら、道がほぼ石段であること。
観光地というよりは、「修行場」と言ったほうがいいかもしれません。
疲労はこの時点では出ませんでしたけれども、「道」を楽しむ余裕はありませんでした。


山頂で登り、熊野那智大社へ。
山の上にも関わらず、結構にぎわっていました。









熊野那智大社

そして熊野といえば八咫烏。

八咫烏(ヤタガラス)


青岸渡寺


そして那智といえば「那智の滝」です。
那智大社から滝って結構離れているんですよね。
その中間あたりに三重塔があるのですけれども、なかなか写真のようなうまいアングルで写真を撮ることが難しいのです。
精一杯撮ってこんな感じ。

三重塔と那智の滝


三重塔自体は、特に普通の塔だったのですけれども、なんと入場料がかかるそうで。
滝がよく見えるということだったのでしょうけれども、あえてスルーしました。

三重塔



飛瀧神社

那智の滝を祀っているのが、那智大社の別宮、飛瀧神社になります。
那智の滝の落差133mというのは伊達ではなく、本当に凄まじい迫力でした。


那智の滝と飛瀧神社

300円を払ってさらに奥の道に入ることができ、滝をさらに間近で見ることができます。
こちらにはお金を払って見てきたのですが、さらに近づいてみた滝は本当に「すごい」という言葉しかでませんでした。
距離としてはそんなに近づいていないのかもしれませんけど、少し近づいただけでもこれだけ迫力が増すのか、というくらいで。
間違いなく今回の旅でのNo.1スポットに挙げられます。

那智の滝


橋杭岩

特急で移動する際に、車窓から見えた橋杭岩です。
いろいろ言い伝えとかもあるのですが、見たからいいやと満足してしまって、実際には行きませんでした。


橋杭岩


7月25日

紀伊田辺から龍神村へ


この表示を見ただけでもう満足


龍神バス

この日はバスで龍神村に向かいます。
もうこの看板を見た時点で満足してしまっている自分がいます。

実はここ、武蔵坊弁慶とゆかりのある土地でして。
駅の前にこんな銅像が立っていたり、

こんな銅像

闘鶏神社があったりします。

弁慶ゆかりの闘鶏神社

寄る予定はなかったのですが、寄るんだったらもう少し調べてくるべきだったなあと反省。

龍神村


険しい山道をバスに揺られること2時間弱、やっと我が聖地に到着しました。
龍神村・龍神温泉です。


龍神温泉バス停


正真正銘の実在する龍神温泉

龍神村とは、2005年まで和歌山県に存在した村です。
元々は独立した村だったのですが、合併に伴い”龍神村”という自治体は消滅してしまい、現在は田辺市の一部となっています。
しかし、いまだに観光地としての”龍神村ブランド”は根付いており、現地でもあちらこちらに龍神村という表記が見受けられました。
産業としては「龍神温泉」を抱えているため観光で成り立っており、
小説「大菩薩峠」映画「大誘拐」の舞台となったり、SNOWの舞台(名前のみ)となったりしている村であります。
ちなみに私は前者2つを全く知りません。


龍神温泉の町並み


徳川家ゆかりの上御殿、実際に泊まれます

とにかく目につくのは、溢れんばかりの自然。
日高川が村の中心部を堂々と流れています。
この日高川に沿って、龍神温泉の温泉街があるんですね。

曼荼羅の滝


温泉寺

龍神村について、まずどこに行こうと考えた結果、
一番入り口が近かった曼荼羅の滝へ行くことに。

で、入り口(登山口?)に木の杖が置いてあるんです。
これはつまり、その先の道が険しいということを示しています。

景気付けに「SNOW」「雪のかなた」を歌いながら滝へ向かうことに。
世界広しといえども、まさかここをエロゲソングを歌いながら進んだ(しかも男一人)馬鹿はいないでしょう。
山道はどこでもそうですが、道を踏み外したらしたまでまっさかさまになります。
ここも例に漏れず下手すれば落ちそうな道でしたが、なんとか無事に滝までたどり着きました。

曼荼羅の滝へ到着。
落差があるわけではありませんが、また前日とは違った感動を覚えました。
ちょうど太陽がいい位置にあって、日輪がさしてました。


曼荼羅の滝

ネタ動画も撮ってきたのですが、あまりにもひどかったので封印します。

ちなみに帰りは「ふたりの足跡」を歌って帰りました。

皆瀬神社

どうしても「みなせじんじゃ」と読みたくなるのが鍵っ子の悪い癖ですが、読み方は「かいぜじんじゃ」。
ここに行くまでに、木製の吊り橋を渡るのですが、この吊り橋がそれなりに揺れるんですよね。
横から見た吊り橋も結構壮観でした。


皆瀬神社前にかかる吊り橋 ※サークル「和」の天夢氏が尻込みした吊り橋がこれ


吊り橋を横から

皆瀬神社は、人がいない結構オーソドックスなタイプの神社でした。


皆瀬神社

天誅倉

温泉街からはかなり離れていますが、とりあえず史跡ということで行ってきました。
これも知識が足らず、よくわからない状態で訪れています。


天誅倉


ここに行くまでに、あるものを見つけました。
それは、「254」の看板。
そう、ここは「日本三大酷道」として有名な国道254号線だったのです。


国道254号

その道を車でなく徒歩で行ったので、道の状態がよくわかりました。
例えばこの看板、僕が一撃を加えたら谷底に落ちていくような状態にあるのです。


“酷道”254号線の惨状


地名「龍神村龍神」


と、日中は結構いろいろ回っていたのですが、午後はまさかの雷鳴轟く悪天候に。
一部では停電も起こったらしく。
あらかた行きたいところは周っていたので良かったのですけれども、なかなか思うように動けませんでした。


龍神温泉


龍神温泉元湯

雨も弱まってきたので、この旅の目的地「龍神温泉元湯」へ行くことに。
龍神温泉を引いている旅館はいくつかありますが、ここが龍神温泉の源泉となります。

噂には聞いていましたが、お湯がとてもぬるぬるしていまして。
素人判断ではありますが、美人の湯というのも決して誇張ではないなと感じるくらい質は良かったと思います。
表示によると、炭酸水素カルシウム成分の弱アルカリ性。
水酸化ナトリウムを触るとぬるぬるして指紋が溶けたりしますが、あの理論と同じで、
つまりこれは、お湯がぬるぬるしているというよりは、皮膚が溶けているのかもしれないなあと勘繰りながら浸かってました。

ちょうど夕方の時間だったので、露天風呂もあることだし、なんとか夕暮れまで粘ろうと思っていたのですが、
よく考えたらこの時期、日がとても長いんですね。
しかもここは気がよく育つぐらい日照条件の良い和歌山。
そろそろ湯当たりしそうだったので、泣く泣く引き揚げました。

僕はあまり温泉に行った経験は少ない方ですが、そのなかでは最もよい温泉だったことは違いありません。
今回の旅でのNo.2スポットでした。


7月26日

さらば龍神村

また来るぞ、と心の中で思いながら龍神村を後に。
バスであとにするあたりは原作準拠ですね。(もちろんSNOWのノーマルエンドの事)
かなりいいところでした。
しかし、今回は私のプランニングが下手なところがあったので、次に来るときはしっかり計画を立てて行きたいなと思っています。


再びバスで駅を目指します。
この途中で見た「虎ヶ峰」からの眺望がものすごくよかったんですよね。
写真には撮れなかったんですけれども、脳裏に焼き付くほど素晴らしくて。
掲載した写真は虎ヶ峰からだいぶ降りてきてからなのですけれども、これだけでも十分なのに、もっとすごい風景で、
今度来た時は虎ヶ峰で時間を取りたいと思ったりしました。


虎ヶ峰からだいぶ下った地点

奇絶峡

バスで戻る途中、名前がとんでもない「奇絶峡」に立ち寄りました。
あまりよく把握していないまま寄ったのですが、巨石群が点在する峡谷なんですね。
赤、というよりは赤茶色に近い橋が目につき、奥には赤城の滝(不動滝)があります。
本来は春とか秋がシーズンのようですが、自然が豊かすぎるいいところでした。










奇絶峡

あと、ここにも「法力を使って岩の中に鬼を封印した」という桜華やAIRを彷彿とさせるエピソードが。




唐戸岩

潮岬

南下し、“本州最南端”の街、串本まで出ます。
ここにあるのは、“本州最南端”の潮岬。


スポットとしては潮岬灯台が有名です。
結構狭い階段を上っていって、最上段まで登るところは本当に城の中か、と思えるような急な階段になっているのですが、
てっぺんに出るとあたりが一望できます。




潮岬灯台


望楼の芝生と太平洋

望楼の芝生の先にあるのが“本州最南端”の石碑。
本来ならこの光景で感動が深まるはずなのですが、よく考えたら特急を乗り継いでいる関係で海を見まくっていたため、その意味での感動は薄れてしまいました。
しかし本州最南端に来たという達成感はありました。







“本州最南端”

そしてもう一つの展望スポット、潮岬タワーは、少し内陸部には引っ込む代わりに、灯台よりもさらに高さがあります。
この展望台に上ったときの海風は本当に気持ち良かったです。
眺望の良さも折り紙つきで、ここ3日間台風が来なかったことをありがたく思いました。※潮岬は台風銀座


潮岬タワー

タワーからの眺望

熊野速玉大社

最後に新宮まで戻り、熊野速玉大社に寄ることにしました。
これは予定になかったことで、突発的だったのですけれども、何とか時間が噛み合った関係でGoサインが出せました。




熊野速玉大社

速玉大社に関しては、人も少なく、観光地化され切っていないという意味で神社らしい神社でした。
観光地的には派手さがなく、写真で見ても優先度を下げかねない撮られ方をしているところも多いのですが、ああいった雰囲気は好きでした。

神倉神社


神倉神社(麓)

そして今回の旅の最難所、神倉神社へ。
ここに行くには、「600段弱の石段を登っていく」と旅行本には書かれていましたが、
あれは石段じゃありません。
もはやロッククライミングです。

本当に、足場をどこに置くかを考えながら上り下りしないと洒落になりません。
そのくらい岩も大きく不規則で、本当に「登山」と言ってしまってよいと思います。
距離がない分比べるのは難しいかもしれませんが、ある意味伏見稲荷の山登りより辛いです。



神倉神社とゴトビキ岩
ただ、登り終えた後の、ゴトビキ岩と神社の光景は壮観でした。
まず、声が出ません。
ゴトビキ岩は、なるほど、これなら「天磐盾」と言われても文句なしというくらいの巨石でした。
今回の旅でのNo.3スポット。


神倉神社から見下ろした新宮の街

帰路

そんなこんなで、ゆっくりするはずが結構かけ足になった3日間が終わり、帰路につきました。
毎日ずっと歩きまわっていたような気がします。
そして、ここから帰るまでがまた長いんですけどね。
この時点で、図らずともきのくに線の特急4種に全て乗っていました。
いかかに周遊きっぷを酷使したかがわかります。

ちなみに、満月でした。


まとめ


今回の旅は、今までの旅とちょっと趣が違いました。
いろいろ前と異なる要素はありましたが、それが何かはよくわからないままでした。


僕の旅はいつも神社と隣り合わせですが、今回は「神社」というよりも「自然」に触れた旅だったなあと振りかえって思います。
山、海、滝、川、それから木々・・・
そういった、『そこにあるはずなのに変わってしまったもの』に巡り合えたような感じがします。


また、写真に写らない良さに気付かされました。
我々は、カメラなんかより数京倍も優れた天然のカメラ(=眼)を持っているんです。
なので、今回は写真で撮るだけでなく、この目で見てくることに気を付けました。
目から見た風景は、フィルムやデータには残りませんけれども、記憶に残るのです。


そして、やはり「頑張ったら何かある」ということですね。
今回の旅では、予想以上に足を使いました。
でも、歩いて歩いていった先には、私に感動を与えてくれる何かがありました。

頑張りすぎたらいけないのが現代の風潮みたいですが、それでも頑張ることは大事なんですよね。
頑張りすぎたらいけないというのは、頑張りすぎた人だけが言える言葉です。


そして、いつも通りですが、
「旅っていいなあ」
と心から思いました。


執筆 2010年7月27日
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