周遊きっぷの縮小に寄せて

平成24年3月31日、周遊きっぷのうち19のゾーンが廃止になりました。
現在、13のゾーンが残っていますが、多くは北海道、四国、九州へ行くためのものとなり、
「地域を周る」という意味での周遊きっぷは終焉を迎えたのだと思います。


私の鉄道一人旅は、常に周遊きっぷと共にありました。
始めて周遊きっぷを使ったのが、龍神村を訪れた2010年の和歌山旅行(南紀ゾーン)。
周遊きっぷの使い勝手の良さに味をしめた私は、その後も山口(津和野・秋吉・萩ゾーン)、福井(越前・若狭ゾーン)旅行の際に周遊きっぷを使用しました。

エリア内であれば1駅間の特急だって臆せず乗れるという凄まじい使い勝手の良さと、
行き帰りの普通料金が2割引きになるというリーズナブルな料金設定から、
今後とも使うつもりでした。
実際、既にいくつか周遊きっぷで行く旅の計画を立てていました。


19のゾーンが廃止になったと知ったのは、つい昨日のことでした。
泣きそうになりました。


あまり売れ行きがよくなく、利用者が少ないということは、知っていました。
でも、あまりにも早い終幕。
自分勝手ですが、せめて、私が乗り潰すまでの1、2年くらいは待ってほしかった。
そういった失くすには惜しいゾーンが、いくつも、いくつも、いくつもあります。


確かに、今の旅行スタイルとは合わないところがあったかもしれません。
それでも、ひとりで特定の地域をお金を気にせずにぶらっと回るためには、本当に良かった切符でした。

例え最短でなくても、「周遊きっぷが使えるからこっちで行こう」と思って乗った路線がありました。
普通の旅行ならお金が惜しくて出来ないところを、惜しげもなく特急を使ったこともありました。
周遊きっぷの説明をしながら、おっかなびっくりバスに乗ったことも。
あまり知られていない、周遊きっぷの周遊部分は自動改札に対応していないため、いちいち駅員さんに「周遊きっぷです」と言って通る必要があること。
そこには、いろいろな出会いがありました。


私の旅は、常に周遊きっぷと共にありました。
周遊きっぷは今後も縮小を続けることになると思います。

でも、周遊きっぷは死んでも、その土地は死にません。
また別の、また違った経路で、訪れることができるはずです。
周遊きっぷがあったから旅行したんじゃない。
行こうと思ったところに、手段として周遊きっぷがあったのだ。



旅の楽しさをたくさん教えてもらった周遊きっぷに感謝しつつ、
次の旅へ向かいたいと思います。
なんだかんだ言っても、自分、旅行好きですから。

執筆 2012年4月22日
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