中日ドラゴンズ-53年ぶりの日本一-

正直言えば、シーズン前の時点では日本一どころではなかった。
ストーブリーグで行き場を失った中村紀洋が中日に育成選手として入団。
当時は中日の選手はあまり歓迎ムードではなく、「何であんな奴が」という雰囲気であった。
もちろん打撃には素晴らしいものがあるため、中村はサードに座ることになる。
そのため、サードを守っていた森野は左翼にコンバートされた。
その影響もあり選手会長の井上がレフト争いからあぶれることになりまさかの2軍スタート。
さらに、今年は隔年エースというありがたくない称号を貰っている川上が”活躍しない”年。

他のチームを見渡してみると、昨年度Bクラスに憤りを隠せない巨人フロントがとんでもない大補強。
谷と小笠原という球界最高峰の選手を次々と獲得。
もはや優勝しかないという布陣で乗り込んできた。
まさに波乱万丈であった。


シーズン中にも2位は死守するものの優勝には程遠い苦しい戦いがあった。
勝てないエース川上。
打率を稼げないウッズ。
荒木が怪我と不調で一時期2軍暮らし。
成績が挙がらず「前の李(=李鍾範・りじょんぼむ)は成績悪くても必死にやっていた」と揶揄された李。
投げては負ける山本昌。
そして極めつけは、中軸福留の戦線離脱だった。


主軸を欠き、エースも不調。
しかしここから、奇蹟の逆転劇が始まる。

福留の穴は投打に非常に大きかった。
しかし、それを二人の選手が埋めた。
ここ数年一気に伸びてきた森野。
そしてもうひとりは、あのすったもんだから「性格をがらっと変えて」チームバッティングに徹した中村ノリであった。
この変貌ぶりは「まさか」「きれいなノリさん」と何処のファンかは問わず多くの野球ファンから驚きの声が上がった。

そして投手陣ではルーキーの浅尾がちょうど不調の川上を埋めるような活躍。
そして四球に苦しんでいた中田が途中タイトル争いに食い込むほどの大躍進を見せた。

リーグ優勝はならなかったものの、中日はセリーグ2位に飛び込み、今年から始まったクライマックスシリーズを5連勝で制し、日本シリーズを日本ハム相手に1敗のあと4連勝で勝ち、日本一に輝いた。


私は昔からの中日ファンではない。
正直、ここ数年でファンになった部類の人間である。
しかし、それでも中日の日本一というのは非常に嬉しい。

日本シリーズ第5戦の山井降板には賛否両論が渦巻いている。
しかし、あそこで岩瀬を登板させたのも落合という「天才の証明」であったのではないか、と私は思う。



初音ミクの「燃えよドラゴンズ」が耳心地よい今日この頃。



執筆 2007年11月14日
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