中日はなぜ日本シリーズに負けたのか

日本シリーズが終わってから10日ほどが経過した。
前評判ではあれほど有利と報道されていた中日が負けた要因を、個人的な考えとして書いてみようと思う。

メディアの報道では”新庄効果”という声が大きい。
確かにひとつの要因ではあろうが、決して 新庄がいたから というだけで日本ハムが勝ったわけではない。


まず、守備から見てみることにする。
日ハムの森本・新庄・稲葉の強力外野陣に対して、中日の英智・アレックス・福留の守備は引けをとらない。
金子・田中賢に対する中日の二遊間は12球団随一といわれる井端・荒木のゴールデンコンビである。
捕手を見ても、日ハムは若手の鶴岡であるのに対し、中日はベテラン谷繁。
少なくとも守備で差が出ているということではなかった。

打撃から見ても同じである。
一二番を見ても日ハムの森本・田中賢に対して中日の荒木・井端は決して劣ることはない。
三・四番でも日ハムの小笠原・セギノールに対する中日も福留・ウッズという強力な柱があった。

ではなぜ、中日は負けたのか。

中日の野球は、ディフェンス野球である。
ディフェンス野球の特徴は、成績が安定することである。
その代わり、どうしても打力は劣ってしまう。

何が違ったのか。
そう、打線が違ったのである。

中日は4番までは磐石だったものの、5番以降が固定できなかった。
森野も5番としては些か非力であったし、長打が打てるアレックスも未出場。
事実、森野・井上・立浪・英智をとっかえひっかえしていた。
長打はなかったが、皮肉にもシリーズで当たっていたのはこのベテラン下位打線であった。

それに対して、日ハムはセギノールの後に稲葉がいた。
実際、シリーズのMVPはこの稲葉が取った。
そして、その後にはいまや押しも押されぬ人気の新庄である。
新庄はアベレージは低いが、長打が打てるバッターである。

試合の流れを変えるもっとも大きな要素は何かといえば、それはホームランであろう。
そう、中日にはパワーヒッターが不足していたのである。

つまり、ディフェンス野球は戦い方は安定するものの、短期決戦ではイマイチなのである。
もちろん、守備は重要であることに変わりはないが、打てなければ点は入らない。
日本一になった回数が最も多い巨人をみればなんとなく見えてくることである。

監督の采配次第なのは、トータルベースボールである。
昨年トータルベースボールを掲げるバレンタイン監督の下で日本一になったロッテは、今年は低迷した。
これは勝敗が監督の采配にゆだねられているためで、采配がうまくかみ合わなかったということである。

正直に言うと、日本ハムと中日のプレイスタイルはかなり似ているところがある。
日本ハムも守備的スモールベースボールというあまり攻撃的ではないディフェンス野球を汲んでいる。
しかし、かつての日ハムといえば超攻撃的打線だったことを考えると、中日よりは攻撃に重きを置いていたのではないかと考えられる。

短期決戦では基本的に投高打低という状況に陥るため、本来なら投手についても書くべきなのだが、私は投手に関してはずぶの素人に同じなのであまり大それたことは書かない。
ただ、ひとつ言えることは、鉄壁の投手陣を誇った中日も先発数と中継ぎの安定性を欠いており、
また、岩瀬を投入したときに安心して後をフォローする投手がいなかったということが何らかの影響を及ぼしたということである。


また、中日の負けにはもうひとつ要因がある。
それは”意識”である。
精神論になってしまうのでこれもあまり大仰なことは言えないのだが、個人が書いているものなので幾分かは許して欲しい。

中日は落合監督の元、相手選手をくまなく分析した。
それは日本ハムから移籍してきた奈良原をも唸らせるものだった。
このデータの元、落合ドラゴンズは「4つ勝とう」とした。

一方、北海道日本ハムファイターズは単純に日本シリーズを楽しもうとした。


この差がどう響いたか。
それは結果が示すとおり、明白である。
チームスタイルは似ていたが、考え方が正反対だった。

結果として、中日は1勝した後4連敗を喫して日本二に甘んじた。
これは日ハムの勢いでもあるが、中日の自滅でもあるのだ。


ぜひ中日には来年再び日本一に挑戦して欲しい。

執筆 2006年11月8日
コラム TOPへ戻る