ニュースサイトと孫ニュースサイト

ニュースサイトには「ニュースサイト」と「孫ニュースサイト」という種類のものがあります。
簡単に解説すると、ニュースサイトとは独自の情報ソースを持っており、主に情報そのものを紹介するサイトなのに対し、
孫ニュースサイトというのは、主にニュースサイトで紹介された情報を厳選して集約して伝えるサイトのことを指します。

よく言われるのが「ニュースサイトは情報そのものだけを探すが、孫ニュースサイトというのはニュースサイトが選んだ情報しか扱わない」ということなのですが、果たして本当にそうなのか、少し疑問に思いました。

情報の流通というのは商品の流通と似ています。
生産者(メーカー、農民、漁民など)→一次卸業者・仲買(大卸とも)→二次卸業者→小売業者→消費者(流通 - Wikipedia)というのが商品の流通の基本筋です。
たとえばキャベツを例にあげて見ましょう。
まず生産者がキャベツを育てて収穫し、市場に流れます。
そして商業者を介して消費者に届きます。

情報の流通も同じです。
まず、記事や文章、ネタなどを生産する人がいて、それをニュースとして紹介する人がいます。
そして紹介されたニュースを多く集めて、厳選して発信しなおす人がいます。
そして、閲覧者に情報が届くのです。

しかし、不思議なことに情報はこのキャベツの例と異なるところがあります。
それは、市場と小売業者を兼ねた位置づけがなされているサイトが非常に多いということです。
確かに商品の流通においてもそういう事例はあるのですが、極稀です。

これはなぜかというと、情報というのは金銭のやり取りを介していないからです。
商品というものは流通において中間搾取があります。
それで生計を立てている人もいます。
ただ、情報というものは搾取されるものが、しいて言えば情報ソースくらいしかありません。
その点で、非効率ながらも密度の濃い情報が紹介できているのです。

冒頭でテーマとしてあげた「ニュースサイトは情報そのものだけを探すが、孫ニュースサイトというのはニュースサイトが選んだ情報しか扱わない」というのが誤っているというのは、至極簡単な方法で解決できます。
現在ニュースサイトにおいてもっとも有名なサイトであると思われるカトゆー家断絶さんは、一次情報(直接仕入れた情報)だけでなく二次情報(間接的に仕入れた情報)も紹介しています。
これだけで十分たる論拠になるのではないでしょうか。

事実、今のニュースサイトというのはお互いのニュースサイトで保管しあっていることが非常に多くなっています。
つまり、ニュースサイトも孫ニュースサイトも、そんなに差はなくなってきているのです。


そういえば最近、こんな話がありました。
とあるニュースがあって、そのニュースの見出しを面白おかしく変えたら、それなのに情報ソースとして自分のサイトが書かれていない、ということでした。
その気持ちもわからなくはないのですが、果たして一番早くそのニュースに着目した人が偉いのでしょうか。
早い者勝ちというのは必ず良いことなのでしょうか。
僕はそうは思いません。

また、最近こんな話もありました。
とあるオフ会を大手サイトがこぞって紹介したら、実はそれはほんの内輪でやるオフ会だった、ということでした。
これも前者と同じで、特ダネを見つけようとして失敗した例です。

ニュースサイトというのは時に絶大な影響力を持ちます。
ただ、それが必ずしもいい方向に働くかといえば、そうとも限りません。

ちょっと昔の話になりますが、僕がよく知っているサイトが閉鎖されました。
理由は大手サイトにネタを取り上げられたからでした。
「今まで自由気ままにやっていたサイトが、義務的になってしまう。」
その人は、そんな言葉を残して去っていきました。


こんなこともあるのだと、心の片隅にでも止めておいていただければ幸いです。

執筆 2006年9月16日
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